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2015年09月07日

全竹ヘチ竿の製作 【印籠部の加工(印籠芯の接着、印籠挿入部の戸口さらい)】

印籠芯の下準備。
穂先印籠接着部の糸巻き、漆極め。
穂先下印籠挿入部の糸巻き、漆極め。

これらの作業を終えたら、印籠芯の接着、印籠挿入部の戸口さらい作業に
入ります。

■穂先印籠接着部の戸口さらい、印籠芯の接着

戸口のさらい方は手元の戸口のさらい方と基本的には同じです。
但し、穂先側に印籠芯を接着する場合、
全竹ヘチ竿の製作 【印籠部の加工(印籠芯の準備)】
の記事で紹介したように、印籠芯補強の為のカーボンパイプが節を抜けないと
いけませんので、剣先錐でカーボンパイプが入る程度の穴を節に開ける作業が
必要になります。
この節を抜く作業も中心がずれてしまうと、印籠芯が真っ直ぐにならないので、
中心がずれないように注意が必要です。

また、径の小さい戸口をさらう時は特に削り過ぎてしまう傾向にあるので、
いっそう慎重に丁寧に、少し削っては差し込み、少し削っては差し込み
という作業を地道に繰り返します。

決めた位置まで印籠芯が入るようになったら、木工ボンドで接着します。
密閉された所への接着になるので、24時間経過してから次の作業に入るように
しています。

■穂先下印籠挿入部の戸口さらい
印籠接着部は木工ボンドで完全に接着してしまうので、さらった時の多少のガタ
は何とかなりますが、印籠挿入部はそうはいきません。
コンマ数ミリ削り過ぎただけでカタカタしてしまいます。
実際に継いでみた時のガタつきは非常に気になります。
気になるだけではなく、カタつきが酷いと本来の強度を出すことが出来ず、
印籠継ぎの役目を果たさなくなるばかりか最悪竿としての役割を果たさない
という結果にもなります。

竿への負荷は一番弱い所に掛かります。
竿全体で力をいなす筈が、カタついてしっかり継がれていない箇所があると
そこに負荷が集中し継ぎ目から折れるという結果になり兼ねません。

ここは更に慎重に慎重を重ね、焦らずじっくり作業したいところです。

また、今回の竿のように一節抜いて印籠を挿入するような場合は、径の小さい
剣先錐で穴を開け、径の小さい丸棒ヤスリから徐々に径を大きくしながら
印籠芯の径に合う大きさまでさらいます。

挿入部をさらう場合、径の小さい戸口から径が太い方向に向かって削る事
になるので、元方向がカタカタにならないよう、さらう際には注意が必要です。

※穂先印籠接着部、穂先下印籠挿入部をさらう場合、丸棒ヤスリで削り出
 しますが、ある程度の大きさまで削り出したら、空砥ぎ紙ヤスリに切り替え、
 更に極細目の紙ヤスリに切り替えて表面を整えつつ、印籠を合わせる
 作業をします。



  


Posted by 釣りバカけいぞう at 19:08Comments(0)自作の道具

2015年08月08日

全竹ヘチ竿の製作 【印籠部の加工、糸巻き、漆極め】

①穂持ち印籠挿げ口側の戸口面、穂先印籠挿げ込み側の戸口面の整形
 それぞれの戸口面は継いだときの接地面になるので、互いがぴったり合うわさるよう鉄工平ヤスリ
 を使って整形します。
 戸口面を下にしてテーブルに乗せて立てたとき、斜めになることなく真っ直ぐ立つように、
 また互いの戸口面を合わせてみて曲がらずぴったり合うように丁寧に双方の戸口面を平らにします。

②穂持ち印籠挿げ口、穂先印籠挿げ込みを整形
 竹本来の自然な形状をそのまま利用する場合もありますが、今回は正円に近い状態に整形します。
 ・穂持ち側、穂先側の糸巻き箇所にあたる竹の平らな面を小刀を使って真平らに削ります。
 ・穂持ち側、穂先側の竹の幅に合うように別の竹の表皮を割り取ります。
 ・割り取った竹の接着面を小刀を使って真平らに削ります。
 ・下図のように穂持ち側、穂先側の糸巻き箇所に割り取った竹を木工ボンドで接着します。
  しっかり接着させるため、タコ糸をギッチリ巻いて固定し、接着できたら鉄工平ヤスリ、
  空砥ぎ紙やすりなどを使って正円に近い状態に整形します。

   【接着後の写真】
  印籠部の加工、糸巻き、漆極め

③穂持ち印籠挿げ口、穂先印籠挿げ込み箇所の糸巻き、漆極め
 下図のように絹糸を巻き(図A)、黒漆を塗り(図B)、糸を固定させます。
 漆をしっかり乗せるために、極め木(図C)を使い塗り面を挟むようにして竹を回しながら糸に漆を
 乗せます。
 ※私の場合、極め木は竹を縦割りにしたものを自作して使用しています。

     図A           図B
 印籠部の加工、糸巻き、漆極め 印籠部の加工、糸巻き、漆極め

     図C
 印籠部の加工、糸巻き、漆極め


  


Posted by 釣りバカけいぞう at 22:23Comments(0)自作の道具

2015年07月22日

全竹ヘチ竿の製作 【印籠部の加工(印籠芯の準備)】

①印籠芯となる矢竹は(極力)テーパーの無い真っ直ぐな竹を選びます。

②印籠芯(芯竹)となる矢竹は火入れ、矯めを行い曲がりを直しておきます。

③印籠芯の先端を整形
 印籠芯の先端は平ヤスリを使って同じ直径になるように整形し、使い古し
 の紙ヤスリで表面を整えます。

 印籠芯の準備

④印籠芯の補強
 印籠芯の補強にステン棒や細い矢竹を芯竹にしたこともありましたが、
 軽量でありながら柔軟性と強度を併せ持ったカーボンパイプを使用しています。

 印籠芯の準備  印籠芯の準備

 ※芯竹に挿入するカーボンパイプは芯竹の穴を削り出す事無く、無理なく入るもの
  を選ぶか、芯竹の穴を軽く削ることで入るものを選びます。

 ※カーボンパイプは補助的なものと捉え、それ自体が印籠芯のメインになるほど
  芯竹を削り出すことはしません。

 ※無理にカーボンパイプを挿入しようとすると芯竹が割れる場合があるので、
  芯竹にタコ糸を巻いて補強してから行うことをお勧めします。

 ※芯竹とカーボンパイプの接着には「セメダイン SUPER X」を使用しています。
  完全に接着出来たらタコ糸を解きます。

 ※カーボンパイプの切断箇所は下図の赤線を目安に切断します。
  印籠芯を接着する際、下図のように芯竹を節で寸止めするようにしますが、
  節に掛かる負担を軽減する為、若干節を抜く位置でカーボンパイプを切断します。
  カーボンパイプの切断には平ヤスリの角を使ってカーボンパイプを回しながら
  削り取るようにして切断します。

  印籠芯の準備



  


Posted by 釣りバカけいぞう at 20:42Comments(0)自作の道具

2015年04月15日

竹竿の製作 【採取した青竹を晒すまで】

青竹を採取して竿として加工するまでに一定期間(1年~3年)
天日に晒しますが、採取から晒すまでにする事を記事に残します。

①採取時期
 竿として使用する竹を採取する場合、竹が水分を吸わなくなる
 11月頃~1月頃が良く、竹の子が生える季節は竹が水分を
 吸ってしまうので、竿として使用するにはあまり適さないと
 聞いたことがあります。
 
②枝払い
  枝を払う場合、剪定ばさみで丁寧に枝を払います。
  ナタなどで切り払うと節までも裂いてしまいますので、ナタの
  使用は禁物です。

  【余談】
  以前、庭に生えている布袋竹を分けて頂こうとお宅に伺い相談
  したところ承諾を頂け、家人が伐採してくれたのですが、枝が
  邪魔になるだろうと枝を切ってくれたのですが、ナタでバッサ
  バッサと切り落としたために節まで切り落としてしまわれ、竿
  としては不向きなものとなってしまったという経験があります。
  親切心でして頂けた事なので、お礼を申し上げて有難く頂戴
  し別の用途として使わせて頂いております。

③切り分け
  長い1本の青竹を火入れ、晒すのは一般の家庭では困難です。
  竿として使用する必要な長さに鋸を使って切り分けます。

④油抜きと汚れ落とし
  青竹は火入れの要領で火入れをし、竹に含まれている油分
  と表皮の汚れを雑巾などで拭き取り、大雑把に曲がりを修正
  します。

  青竹に火を入れると、表皮に油が浮き始め濡れたような状態
  になり、切り口からは蒸気が噴出してきます。
  そのような状態になったら素早く乾いた雑巾で表皮を拭き取り、
  油と汚れを同時に拭き取ります。
  竹が冷めてくると油は拭き取り難くなるので、冷めても尚汚れが
  拭き取れない場合は、もう一度火に当て拭き取ります。
  油を拭き取った竹の表皮は深緑色から若草色に変化します。

  また、この作業の中で大雑把に曲がりを直しておきます。
  青竹は水分を含んで柔らかいので容易に節の曲がりを直せ
  ます。
  ※晒している間に曲がりが出ますが、水分を多く含んでいる
   時に曲がりを直しておくと、極端に大きな曲がりは出難い
   と思います。

⑤晒し
  一定期間(1年~3年)天日に晒しますが、ひな祭りの時期に
  降る雨に当てるとシミや虫食いの原因になるので注意が必要
  と聞いたことがあります。
  私はどんな時でも雨には当たらないようにしています。


  
  

  


Posted by 釣りバカけいぞう at 16:31Comments(2)自作の道具

2015年04月14日

湾曲餌箱の製作 【其の一】

私の餌箱製作では電動工具を使いません。

量産するわけでもないので、「電動工具までは要らんかな」ということや、
電動工具は木屑を飛び散らかして家の中を木屑だらけにしてしまい、奥方
に叱られるという事が理由として挙げられます。
また、全て手作業で作り上げたいという自分なりの拘りもあり、電動工具は
使っていません。(使うほどの作業でも無いっちゃ無いんですけどね。)

ただ、未熟なので似たような形状、サイズのものは作れても、全く同じものを
幾つも作る事は出来ません。 汗)

前置きが長くなりましたが、
今年に入って、ある方から湾曲餌箱の製作依頼を頂き、少しずつ作業を
始めたので湾曲餌箱の製作工程を記事に残していこうと思います。


【1】飯台から餌箱の前面、背面部分、底板部を極めた寸法に合わせて鋸で
  切断する
  湾曲餌箱の製作  湾曲餌箱の製作  湾曲餌箱の製作

  ※底板の背面部にあたる湾曲の切断には下図の鋸を使用。
   この鋸であれば大雑把ですが曲線を鋸で引く事が可能。
   後の工程で背面部の曲線に合わせてヤスリで加工・調整するので、
   ここでは大雑把でもOK。
   湾曲餌箱の製作


【2】前面部、背面部の側面の幅を揃えると同時に平らに仕上げる
  前面部、背面部を重ね合わせマスキングテープで固定し、空砥ぎ
  紙ヤスリをテーブルに敷き前面部、背面部の側面の幅を揃えると
  同時に平らに仕上げる。
  湾曲餌箱の製作
  ※横板を接着する箇所になるので、凹凸の無いよう平らに仕上げる。
   テーブルの上に側面を下にして置いた時に隙間無く揺らぐ事無く
   真っ直ぐ立つまで平らに仕上げる。
   

【3】前面部、背面部の上部を【2】と同様のやり方で平らに仕上げる
  湾曲餌箱の製作
  ※蓋が重なる箇所なので、凹凸の無いよう平らに仕上げる。
   テーブルの上に側面を下にして置いた時に隙間無く揺らぐ事無く
   真っ直ぐ立つまで平らに仕上げる。


【4】前面部、背面部共に箍の嵌まっていた溝を加工する
  前面部、背面部共に箍の嵌まっていた溝に木籤を木工ボンドで接着し、
  側面に余分にはみ出した籤を鉄工ヤスリで側面に合わせて削り取り、
  籤を嵌め込んだ面を空砥ぎ紙やすりで平らに仕上げる。
  湾曲餌箱の製作  湾曲餌箱の製作


次回は、
・背面部の底板接着痕を整形する
・前面部に底板を接着する
・底板の背面部接着部位の整形
・底板と背面部の接着
について記事に残したいと思っています。


  


Posted by 釣りバカけいぞう at 22:36Comments(0)自作の道具

2015年04月05日

全竹ヘチ竿の製作 【手元挿げ口の糸巻き、漆極め】

手元上を接着する前に、手元挿げ口糸巻き箇所を整形、糸巻きした上で漆を施します。

※挿げ口の強度を増すために、殺し板を使用して挿げ口の繊維を圧縮する工程が
  ありますが、私はその工程を省いています。
  (やったほうが良いとは思うのですが。。。)
※殺し板とは、木の板に径の異なる穴を幾つも開け、竹の径に合う穴に熱した竹を
  差込み、竹の繊維を圧縮させる道具です。

①手元挿げ口糸巻き箇所の整形

  ・糸巻き箇所末端となる箇所にマスキングテープを巻きつけ、小刀を垂直に立て
   マスキングテープに沿って木目込みを入れます。
   挿げ口糸巻き箇所の加工

  ・木目込みに小刀を垂直に立て、挿げ口方向に向かって表皮をきしゃぎます。
   挿げ口糸巻き箇所の加工  挿げ口糸巻き箇所の加工

  ・手元挿げ口糸巻き箇所を小刀、鉄工平ヤスリを使ってテーパー加工します。
   挿げ口糸巻き箇所の加工


②手元挿げ口糸巻き箇所への糸巻き
   糸巻き箇所に絹糸を巻きつけます。
   挿げ口糸巻き箇所の加工※糸は「TIRE ミシン用絹糸50番」を使用しています。


   【糸の巻き始めと巻き終えの方法】

   分かりやすいように太い糸を使用して図解します。

   糸をクロスにして巻きつけます。
   挿げ口糸巻き箇所の加工

   クロスにした糸が解れない様に何回か巻きます。
   挿げ口糸巻き箇所の加工

   絹糸では5~6巻き位して余分な糸を切り取ります。
   挿げ口糸巻き箇所の加工

   5~6巻きで巻き終える位の所で別の糸(ここでは赤色の糸)を
   図のように挟み糸巻き末端まで巻きつけます。
   挿げ口糸巻き箇所の加工

   巻き終えたところで、図の赤色の糸の輪に巻いた糸を通します。
   挿げ口糸巻き箇所の加工

   赤色の糸を素早く引っ張り、巻いた糸を引き抜きます。
   挿げ口糸巻き箇所の加工  挿げ口糸巻き箇所の加工

   余分な糸をナイフで切り取ります。
   挿げ口糸巻き箇所の加工

糸巻き箇所の漆極めについては、印籠部の加工で記載します。

  


Posted by 釣りバカけいぞう at 13:39Comments(0)自作の道具

2015年02月14日

全竹ヘチ竿の製作 【手元と手元上の加工 その2】

今回は手元竹挿げ口の内径が手元上挿げ込みの直径よりも大きい場合の
私の対処法について記載します。

【径の差が小さい場合】

 径の差が小さい場合は手元上の挿げ込み箇所に別の竹を縦に割り薄い板状
 にしたものを全面に張り合わせられる枚数分用意し、木工ボンドで挿げ込み
 箇所全面に張り合わせ、ぎっちりタコ糸を巻きつけ圧着した後に
 ヤスリ(紙ヤスリ、空砥ぎ紙ヤスリ、鉄工ヤスリなど)で正円に整形してから
 手元竹挿げ口を丸棒ヤスリ等でさらって調整するようにしています。

 ※薄い板状の竹を張り合わせた後の挿げ込みの直径が挿げ口の内径と同じ
  に出来れば良いのですが、なかなかそうはいかないので、挿げ込みの直径
  が若干太くなるくらいにしています。


 ※挿げ込み箇所に張り合わせるための薄い板状の竹は特に張り合わせる面
  はヤスリ(紙ヤスリ、空砥ぎ紙ヤスリ、鉄工ヤスリなど)で平らにすることで
  ぴったり圧着できます。


【径の差が大きい場合】

 径の差が大きい場合は手元竹挿げ口に全く別の竹を差込んで接着した後に
 挿げ口をさらうようにしています。
 別の竹を差し込むやり方は、全竹ヘチ竿の製作 【手元と手元上の加工 その1】
 と同じです。

 手元竹挿げ口に矢竹を差し込んで挿げ口の径を小さくする方法を写真を交えて
 紹介します。

 ①手元竹に差込む矢竹の長さは、手元上挿げ込みの長さよりも長く取ります。
  

 ②決めた位置まで矢竹を差込み、木工ボンドで接着します。
  

 ③接着した後、矢竹を戸口に合わせて鋸で切り落とします。
  

この作業を終えて手元上挿げ込みと手元挿げ口の加工作業に入ります。

次回、手元竹の手元上接合部の糸巻き、漆極めについて記載します。
               

  


Posted by 釣りバカけいぞう at 21:56Comments(0)自作の道具

2015年01月25日

全竹ヘチ竿の製作 【手元と手元上の加工 その1】

手元上と手元を接着するための加工作業に入ります。

  手元竹の切り組み

(1)手元上挿げ込みの加工(込み削り)

  手元上の挿げ込み部分を表皮を削り節も平らに整え正円に近い状態に
  整形します。

  【使用する道具、工具】
   ・木工平ヤスリ
   ・鉄工平ヤスリ
   ・空砥ぎ紙やすり

  ①小刀を使いマスキングテープをしたライン(きしゃぐ開始位置)に沿って
   木目込みを入れる。
  ②木目込みに小刀を垂直に立て、表皮をきしゃぐ。
   ※後に平ヤスリを使って全体を整形するので、節手前途中まできしゃぐ。
  ③木工平ヤスリを使って節を平らに削る。
   ※節の膨らみが残らないように平らに仕上げる。
  ④鉄工平ヤスリを使って挿げ込み全体を正円になるよう整える。
  ⑤空砥ぎ紙やすり挿げ込み箇所に巻きつけ微妙な凹凸が平らになるよう
   竹を前後回転させながら研ぎ出す。

  《こんな時どうしてる?》
  原竹が楕円を描いているものを使用する場合、そのまま削って正円にする
  と挿げ込み箇所が細くなる上に肉薄になる部分が出来、強度が失われて
  しまうので、私は半端竹を立てに割り薄い板状に整形し、木工ボンドを使い
  挿げ込み箇所に張り合わせ、タコ糸でぎっちり巻きつけ接着させた後に正円
  に整形しています。
  そのほか、挿げ込み箇所に芯竹を差込み補強する場合もあります。


(2)手元挿げ口の加工(戸口さらい)

  挿げ口側を挿げ込みが入るまで、棒ヤスリで削り出します。

  【使用する道具、工具】
   ・丸棒ヤスリ(削りだす内径以内のサイズを段階的に数本)
   ・掻き出し(相当量挿げ口をさらう必要がある場合に使用)
   ・剣先錐(節に穴を開けるために使用)

  作業としては挿げ込みとなる手元上を接着できるまで手元の戸口をさらう
  のですが、私の場合一節抜いて手元上を挿げ込むので、剣先錐を使って
  一節抜いて、丸棒ヤスリの径の小さいものから順次大きくしていき、手元上
  が挿げ込めるまで丸棒ヤスリで削り出します。

  工程として説明することは少ないのですが、私が経験した中で幾つかの
  ポイントを記載します。

  ①手元竹の挿げ込み箇所を事前にタコ糸を巻いて割れを防止する
    挿げ口を削り出し挿げ込む作業をしていると無理に挿げ込もうとして
    手元竹を割ってしまうことがあるので下図のようにタコ糸を仮巻きし補強
    してから作業に入ります。

    

  ②挿げ口は慎重にさらう
    挿げ込みが入らない段階では一気に削り出しても構いませんが、
    挿げ口に挿げ込みが入るようになり始めたら慎重に削り出します。
    削り出しの際、丸棒ヤスリが戸口に触れやすくなる為、奥の方は
    ぴったりはまっても、戸口がカタカタしてしまう傾向があるので、
    戸口に丸棒ヤスリが触れないように私は下図のように丸棒ヤスリに
    マスキングテープを巻きつけ戸口に触れないようにしています。
    
    

  ③挿げ込みが挿げ口内部のどこにあたって入らないのか知る    
   内部を見ることのできない挿げ口内部を削るため、勘に頼って無闇
   に削っても見当違いの箇所を削っている場合もあります。
   私は挿げ込んでみて挿げ込みが止まった箇所で手元上、手元竹を
   素早く何度も回転させます。
   すると、あたっている箇所は摩擦熱で熱くなるので、そこを丸棒ヤスリ
   で削るようにしています。

  ④挿げ口内部のヤスリ痕を平らにする
   丸棒ヤスリだけでは挿げ口内部が粗くなるので、それを整形する為
   丸棒ヤスリのヤスリ側ではなく、持つほう側に両面テープを貼り、
   空砥ぎ紙やすりを巻きつけヤスリ痕を整えています。

次回、挿げ口の内径が挿げ込みの直径よりも大きい場合の対処について
記載します。

  


Posted by 釣りバカけいぞう at 18:50Comments(0)自作の道具

2014年12月21日

全竹ヘチ竿の製作 【加工作業前の下処理】

①竹磨き
 布袋竹や真竹など男竹に類する竹は採取した青竹の時に荒矯めを行い
 油抜きと表皮の汚れを同時に拭き取り、竹の曲がり直した後に一定期間
 (1年以上)晒します。
 この竹磨きの工程では荒矯めで取りきれなかった節に付着している汚れ
 を取り、竹の表皮の凹凸を表皮を削り取らない程度に滑らかにします。

 ・節に付着している汚れ落とし
  節に付着している黒い汚れは爪楊枝などで丁寧に取り除きます。
  汚れが多い場合はタオルにクレンザーを付け取り除く場合もあります。

 ・表皮の汚れ落とし
  表皮の汚れ落としと同時に漆の喰い付きをよくする為に竹を磨きます。
  ナイロン不織布で竹を上下させ回しながら全体を満遍なく拭く場合と、
  カネヨンのようなクレンザーをタオルに付け同じく竹を上下させ回しながら
  全体を満遍なく拭く場合とあります。
  いずれの場合もゴシゴシ力を入れて擦る事は避け、軽く擦る程度に
  しています。
  ナイロン不織布を使用した場合は、最後に乾いたタオルで削り粉を
  拭き取ります。
  クレンザーを使用した場合、クレンザーには研磨剤のほか洗浄成分が
  含まれている為、固く絞った濡れタオルで水拭きし、乾いたタオルで
  拭き上げます。
  節の凹凸が大きい男竹に類する竹の場合ナイロン不織布を、節の凹凸
  の小さい女竹に類する竹の場合クレンザーを使用することが多いです。

  【女竹に類する竹(矢竹、丸節など)のときクレンザーを使用する理由】
   ・女竹は男竹に比べ節の出っ張りが滑らかなので一気に拭き上げ
    易い。
   ・女竹は比較的表皮が薄くナイロン不織布で擦りすぎて表皮が擦り
    取れることがある。
    特に節の箇所は力が加わり易いので、節の箇所だけが擦れすぎる
    傾向があります。
   ※力加減の問題だけなのでナイロン不織布でも問題ないですが。

  【ナイロン不織布】
   使用済みのものになりますが、下図のようなもので、粗めと細目を
   竹の状態によって使い分けています。
   確か3Mとかで販売しているものだった気がします。
   加工前の下処理(1)

②節の下処理、節磨き
  節の凸箇所を節の尖がりを少し滑らかにする程度に平ヤスリで丁寧に
  削り、削り出した箇所を紙やすりの細目#320位の使い古しで整えます。
  芽の箇所は小刀を使って丁寧に削り出し、紙やすりの細目#320位の
  使い古しで整えます。

    【加工前】       【加工後】
   加工前の下処理(2)加工前の下処理(3)

③竹全体に漆を塗る
  手元と手元上の加工、印籠部の加工に着手する前に素材の汚れ防止の
  為に竹全体に薄く漆を塗ります。


  


Posted by 釣りバカけいぞう at 17:25Comments(0)自作の道具

2014年11月24日

全竹ヘチ竿の製作 【切り組み】

切り組みとは、竿の全長や仕舞い寸法などから適当と思われる異なった原竹を
選定し、それを切り合わせて1本の継ぎ竿に組み上げることを言います。


①延べ竹の竿尻の不要箇所を切り取る
  火入れ作業の為、延べ竹の竿尻の部分は矯めしろとして残しますが、矯め
  を終えたらその箇所は不要になるので切り取ります。
  延べ竹の不要箇所を切断(1) 延べ竹の不要箇所を切断(2)

②手元竹の挿げ口の位置や挿げ込む長さを決める
 ・手元竹の握った感触や竿尻の位置などからリールシートを取り付ける
  おおよその位置を決めます。
 ・床に延べ竹を置き、その横に手元竹を並べる。
 ・私は、リールシート取り付け位置から一節あけておおよそ5cm程度の位置が
  挿げ口となるように手元竹の切り組む位置を決めています。
 ※1 手元竹切り組む位置を決めたら切断する箇所にマスキングテープを巻き付
     けます。

③延べ竹の挿げ込み位置を決める
 ・自分の決めた全長になるように床に手元竹を置き、その横に延べ竹の挿げ込み
  箇所が手元竹の挿げ口から一節抜けるように並べる。
 ・手元上の挿げ込みを加工(きしゃぐ)する位置にマスキングテープを巻きつけます。
  手元竹の切り組み
  【手元竹の挿げ口から一節抜いて手元上を挿げ込む理由】
   手元上と手元竹の接着で、手元上を手元竹の一節目に寸止めした状態で接着
   した場合、強い力が加わった時に手元上の接続末端となる手元の一節目が支点
   となり折れる可能性を考慮したものです。
   ※それほど大きな力が加わる前にラインを出すなりするので、そこまで竿に負担
     が掛かることは無いと思いますが、念の為の配慮です。


④延べ竹の穂先と手元上を切り分ける位置を決める
 私の場合、下図のように2本並べたときに穂先の方が短くなるように切り分ける位置を
 決めています。
  自作竹竿 その4
 ※切り分ける位置は竿の全長に対する印籠芯の長さと太さ、竿のバランス、節の位置
  などを考慮して決めますが、穂先側が長くなるようにはしていません。
 ※印籠芯の長さは挿げ込んだ時に僅かに一節抜ける長さをとるようにしています。
 ※印籠芯の太さは切り組んだ箇所の竹の太さによって決めますが、挿げ口の内径
  から外径までの厚さが0.8mm~1.0mmに収まる太さの印籠芯を選んでいます。
 ※穂先側の印籠芯の接着箇所の長さは節からおよそ2.5cm~3.0cm位を目安に
  しています。
 ※1 切り分ける位置が決まったら切断する箇所にマスキングテープを巻き付けます。


⑤マスキングテープで印をした箇所(※1)を鋸で切断する
 マスキングテープのラインに沿って鋸で切断します。
 鋸を使って竹を切る場合、私は鋸を一引きしては竹を少し回転させまた一引き、
 という具合に竹を回転させながら少しずつ切るようにしています。
 このやり方であれば斜めに切れることも無く、最後の切り口がささくれになることも
 ありません。
 一息に切り落とそうとすると最後の一引きでささくれが竹の繊維に沿って縦に裂け
 てしまうことがあります。(さけるチーズのような感じです。)

⑥切断後の状態
 各所を切断した後が下図のようになります。
 切り組み(2)  切り組み(3)


  


Posted by 釣りバカけいぞう at 11:06Comments(0)自作の道具