全竹ヘチ竿の製作 【手元挿げ口の糸巻き、漆極め】
手元上を接着する前に、手元挿げ口糸巻き箇所を整形、糸巻きした上で漆を施します。
※挿げ口の強度を増すために、殺し板を使用して挿げ口の繊維を圧縮する工程が
ありますが、私はその工程を省いています。
(やったほうが良いとは思うのですが。。。)
※殺し板とは、木の板に径の異なる穴を幾つも開け、竹の径に合う穴に熱した竹を
差込み、竹の繊維を圧縮させる道具です。
①手元挿げ口糸巻き箇所の整形
・糸巻き箇所末端となる箇所にマスキングテープを巻きつけ、小刀を垂直に立て
マスキングテープに沿って木目込みを入れます。
・木目込みに小刀を垂直に立て、挿げ口方向に向かって表皮をきしゃぎます。
・手元挿げ口糸巻き箇所を小刀、鉄工平ヤスリを使ってテーパー加工します。
②手元挿げ口糸巻き箇所への糸巻き
糸巻き箇所に絹糸を巻きつけます。
※糸は「TIRE ミシン用絹糸50番」を使用しています。
【糸の巻き始めと巻き終えの方法】
分かりやすいように太い糸を使用して図解します。
糸をクロスにして巻きつけます。
クロスにした糸が解れない様に何回か巻きます。
絹糸では5~6巻き位して余分な糸を切り取ります。
5~6巻きで巻き終える位の所で別の糸(ここでは赤色の糸)を
図のように挟み糸巻き末端まで巻きつけます。
巻き終えたところで、図の赤色の糸の輪に巻いた糸を通します。
赤色の糸を素早く引っ張り、巻いた糸を引き抜きます。
余分な糸をナイフで切り取ります。
糸巻き箇所の漆極めについては、印籠部の加工で記載します。
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